「エルニドの写真に一目惚れして、とりあえず航空券と最安のゲストハウスを押さえました」——こう言い切ってブラウザを閉じた数日後、ふと「パラワン」「エリア」「治安」で再検索した経験、ありませんか?
画面の中では、「パラワン」と「エルニド」と「プエルト・プリンセサ」と「コロン」が全部別の地名として並んでいます。どれが島でどれが町なのかも、最初の私にはさっぱりでした。おまけに「フィリピン・危険・レベル2」の文字がチラつき始め、予約ボタンを押すはずの指が画面の手前で止まる。これ、私も20代の頃、何度も味わった”予約画面フリーズ現象”です。
はじめまして。ホテル・旅行ブロガーの中の人です。元は旅行代理店の中にいた人間で、今では月の半分をホテルで過ごしています。20代の頃は「安ければ正義」で最安値のゲストハウスばかり選び、写真と全然違う部屋で朝まで隣室の騒音と戦ってきました。その泥臭い失敗の積み重ねのおかげで、今はパラワンのような”構造を理解していないと痛い目を見る”島でも、ほぼ外しません。
この記事で結論を先にお伝えしておきます。パラワンのホテル選びは、「どの絶景」ではなく「どの空港から入り、どの拠点に泊まるか」から逆算するのが唯一の正解です。そして、「エリア確定」「マニラで3〜4万円分のペソ両替」「ツアーは午前便」「ビーチは防水ケース首掛け」「マニラ乗り継ぎ3時間」——この5つの鉄則を知っているかどうかで、パラワン旅行のトラブルの大半は決まってしまいます。
この記事を読み終える頃には、予約画面のタブをそっと開き直して、検索条件を組み直したくなるはずです。読む前よりほんの少しだけ慎重に、そしてほんの少しだけ楽しみに、ラグーンのエメラルドグリーンを想像できる状態——そこまでお連れしますね。
パラワンのホテル選びで、最初に壊すべき3つの思い込み
結論から言います。パラワン旅行で失敗する人は、ほぼ100%、最初の3つの思い込みのどれかを抱えたまま予約ボタンを押しています。私もそうでした。そしてこの3つを予約前に壊しておくだけで、あなたの旅はすでに半分勝ちに近づきます。
- 思い込み①:「エルニドとプエルト・プリンセサ(PPS)は同じ島だから近い」
- 思い込み②:「フィリピンなんだから、クレカがあれば現金はいらない」
- 思い込み③:「乾季(12〜5月)なら絶景ツアーは晴れ保証」
それぞれ、なぜダメなのか。お付き合いください。
①の現実は、エルニドとPPSが山道バンで5〜6時間の”別々の旅行先”だという事実です。グーグルマップ(Google Maps)で見ると確かに同じ島に並んで表示されているのですが、パラワンは南北に約450〜650kmもある細長い島で、縦貫するのは1本の国道だけ。エルニドに泊まりたいのにPPSに降り立ったら、その日はほぼ丸ごと移動で消えます。
実際、私の最初のパラワン旅行は「PPSから日帰りでエルニド観光できるっしょ」のノリで計画して、往復の山道バンで半日以上を失った苦い記憶があります。
②の現実は、エルニドとコロンがほぼ完全現金社会だということです。ATMは町に数台しかなく、それも常に行列か「故障中(Out of Service)」の貼り紙付き。クレカが使えるのは観光客向けの一部レストランだけで、ツアー代・トライシクル代・食堂の代金はすべて現金払い。マニラで3〜4万円分のペソを両替してからでないと、現地で詰みます。
③の現実は、乾季でも午後は普通にスコールが降るということ。午前中は鏡のようなラグーンでも、午後2時に空が灰色に変わり、翌日の午後発ツアーが全キャンセル——これがパラワンの日常です。「乾季=晴れ保証」は幻想で、「ツアーは必ず午前便を指定」が鉄則です。

エルニドとPPSなんて同じ島っすよね? カードあれば現金いらないし、乾季なら絶対晴れっしょ! 余裕っす!



そのまま予約すると、3つとも痛い目を見ます。エルニドとPPSは山道バンで5〜6時間の別々の旅行先。エルニド・コロンのATMは数台のみで、クレカが使える店は観光客向けの一部だけ。乾季でも午後は突発スコールでツアーが全キャンセルになります。最初の30分でこの3つを壊しておくことが、パラワン攻略の出発点ですよ。
この3つを壊せた人から、パラワンの本当の楽しみ方が始まります。この先は「じゃあどうすればいいのか」を、5つの鉄則とエリア別の攻略で詳しく見ていきますね。
パラワンは「650km・3空港・1国道・水と電気の格差」の島である
最初に、この島の物理的な構造を頭にインストールしてください。これを知らずにホテル予約サイトを開くのは、地図を持たずに登山道に入るのと同じです。
パラワンは南北に約450〜650kmの細長い島で、そこに3つの空港と1本の国道しか通っていません。そして、どの拠点に泊まるかによって、水道と電気の安定性が天と地ほど違います。この「3空港・1国道・水電気格差」を知らずに予約した人が、あとで「空港ミスマッチで丸一日が移動で消える」「乾季なのに1日6時間断水」「夜中にエアコンが落ちる」という悲劇に遭うのです。
空港の役割分担:どの空港から入るかで旅の9割が決まる
パラワンに関係する空港は主に4つ。行き先によって”正解の空港”は変わります。
| 空港 | 位置 | ベストな目的 | 注意点 |
| プエルト・プリンセサ国際空港(PPS) | パラワン本島中部 | 地底川・ホンダ湾・マニラ乗り継ぎ拠点 | エルニドまで山道バン5〜6時間 |
| エルニド・リオ空港(ENI) | パラワン本島北部 | エルニド直行(ラグーン目的) | エアスイフト(AirSWIFT)独占・運賃高・変更不可 |
| ブスアンガ空港(USU) | コロン島 | コロンタウン・沈船ダイビング | 空港〜タウンまで車45〜60分 |
| サンビセンテ空港(SVI) | パラワン本島中北部 | サンビセンテ長砂浜 | 便数少・開発初期 |
例えばエルニドのラグーンが目的なら、ENI直行便がベスト。ただしENIはエアスイフト1社独占のため、運賃は国内線の感覚より高く、予約変更もほぼ不可です。コストを抑えるならPPS入り+山道バンという選択肢もありますが、その場合はPPSで1泊してから翌朝エルニドに向かう旅程を強くおすすめします。深夜着のPPSから深夜バスに飛び乗る——これ、体験した私が止めます。
国道一本依存のリスク:台風とスコールで島が分断される
パラワンには国道が1本しかありません。この国道は雨季(5〜10月)になると冠水・地滑りで頻繁に寸断されます。国道が止まると、PPSとエルニド・ポートバートンの陸路移動が物理的に遮断され、フライトにも間に合いません。
実際、5月のある日、私は国道の土砂崩れでエルニドから動けず、PPS発のマニラ行きに乗れなかった旅行者を目の当たりにしたことがあります。彼女は追加で3泊分のホテル代と、乗り継ぎフライトの再購入を強いられていました。雨季にパラワンを計画するなら、旅程には最低でも3日のバッファが必要です。
水と電気のインフラ格差マップ:泊まる場所で生活の質(QOL)が変わる
これが意外と見落とされるのですが、パラワンはエリアごとに水道と電気のインフラ水準が天と地ほど違います。
- PPS市街地:乾季は1日6時間以上の断水が常態化。タンク貯水が切れる朝が珍しくない
- PPS北部(サンタ・ロレンザ/州立大学周辺):新興エリアで上下水道・電気がやや安定。長期滞在の穴場
- エルニド町中心:中級以上のホテルならエアコン・ワイファイはおおむね安定
- エルニド郊外(コルネル地区):静かだが停電リスクあり
- プライベートアイランド:自家発電と貯水タンク頼り。リゾートのグレードで明暗が分かれる
- コロン本島・ポートバートン:インフラ最低限。停電・ワイファイ不安定は日常
ノマドワーカーで長期滞在を考えている人や、写真のクラウドバックアップを毎日したい人は、「自家発電あり」「貯水タンクあり」「ワイファイ安定」の3点を必ず宿に事前確認してください。この3点を満たす宿は、価格帯としては中級以上(1泊5,000円〜)が現実的なラインです。
パラワン旅行を”負けない選び方”にする5つの鉄則
ここからが本題です。この記事全体で最も重要なのは、今からお話しする5つの鉄則。これだけは予約ボタンを押す前に暗記してください。私が20代の最初の海外一人旅でゲストハウスを選んで痛い目を見たときと同じ轍を、あなたには踏んでほしくないんです。
ラグーン絶景ならエルニドタウン周辺、地底川ならPPS、沈船ダイビングならコロン、ハネムーンならプライベートアイランド、玄人バックパッカーならポートバートン。「どこに何の目的で泊まるか」を先に決めてから、対応する空港と宿を逆算するのが鉄則です。エルニド・PPS・コロンは別々の旅行先だと肝に銘じてください。
エルニド・コロンのATMは数台しかなく、常に行列か故障中。クレカが使える店は観光客向けの一部レストランだけです。ツアー代・トライシクル代・食堂の代金はすべて現金。マニラのニノイ・アキノ空港の両替所で3〜4万円分のペソを用意してから入ってください。
午前便なら乾季でもほぼ催行。午後便は突発スコールでキャンセル率が一気に上がります。午前9時のラグーンは鏡のような水面、午後2時の海は灰色の空の下——これがパラワンの”時間帯格差”です。
観光地ビーチの置き引きは日常茶飯事。タオルの下に財布を隠しても5分で消えます。防水ケース(海水対応)に現金・スマホ・宿のカードキーを入れて首から下げる——これが唯一の正解です。
ニノイ・アキノ空港は4ターミナル。国際線と国内線でターミナルが違い、シャトルバスは時間通りに来ません。40〜50分待ちの報告は普通。国内線を乗り過ごせばチケットは全損——3時間でも足りなかったという人を何人も知っています。
ここからは、この5鉄則の”情景”を少しだけお見せします。文字で読むのとイメージで思い描くのでは、記憶への残り方が全然違うんです。
鉄則②の情景:エルニドのATM前で「故障中(Out of Service)」の貼り紙を見たとき
初めてエルニドに入った日の朝のことです。ツアーの出発時刻まで1時間しかないのに、前の日の夕方にペソが底をついていました。宿の受付で「ATMどこ?」と聞くと、「通りを3分歩いた右側」と返ってきました。
通りを歩いて、ATMを見つけた瞬間、心臓が下がりました。7人が列になって並んでいたんです。20分待って、ようやく自分の番が来ました。カードを差し込み、暗証番号を入れ、金額を選択し——画面に映ったのは「故障中(Out of Service)」の文字。
次のATMを探して5分歩いた先の機械には、手書きで「現金切れ(No Cash)」の貼り紙。その朝、私は町の4つのATMを順番に回り、結局、朝食を食べるのを諦めて、宿のオーナーからツアー代分だけを借りることになりました。
「マニラで両替しておけば、この30分は使わなくて済んだんです」と、オーナーに苦笑いされました。マニラでペソを用意していない人間は、エルニドでは”時間泥棒”です。自分の時間だけでなく、周りの時間まで奪います。
鉄則③の情景:午前9時のラグーンと、午後2時の灰色の空
翌日、午前9時。ツアーAのボートがビッグラグーンに滑り込んだ瞬間、水の色が変わりました。透明なエメラルドグリーンが、石灰岩の白と対比してレンズの中に収まりきらない。ガイドが「ここで15分泳ぐよ(15 minutes, we swim here)」と言った瞬間、乗客全員が無言で海に飛び込みました。
同じ日の午後2時。同じボートに乗って帰る途中、空が灰色になりました。雨粒がデッキを叩き始め、ガイドの表情が硬くなります。「翌日、午後発のツアーを予約していたんですが、全キャンセルになりました」——船着場で会った別の旅行者が、疲れた顔で言っていました。乾季です。乾季でも、午後便はこうなります。だから鉄則③は「必ず午前便」なのです。
鉄則④の情景:タオルの下の財布が消えた日
これは友人の話です。私がいくら「防水ケース首掛け」と言っても信じなかった彼は、あるビーチで「ちょっと泳ぐだけだから」とタオルの下に財布とスマホを挟みました。5分後、彼は無事でした。10分後、もう一度振り返りました。タオルはある。財布はあるはず——そう信じて海から上がり、タオルを持ち上げた瞬間、財布の重さがありませんでした。
スマホは奇跡的に残っていましたが、財布の中身(現金約2万ペソ、クレカ2枚、パスポートのコピー)は消えていました。観光地ビーチの置き引きは、数分の油断で完結します。彼はその日から、首に防水ケースを下げて泳ぐ人になりました。



パラワンのホテル選びは「エリア確定」「マニラで3〜4万円分のペソ両替」「ツアーは午前便」「防水ケース首掛け」「乗り継ぎ3時間」。この5点が土台です。5点を押さえるだけで、パラワン旅行のトラブルの大半は回避できます。
エルニド:初訪問の”ラグーン絶景ベースキャンプ”に最適な理由
もしあなたが「初めてのパラワン」で、目的がラグーン・アイランドホッピング・写真映えなら、拠点はエルニドタウン周辺一択です。これは意見ではなく、地理と利便性の結論です。
理由はシンプル。ツアーA(ビッグラグーン・スモールラグーン・シクレットラグーン)、ツアーB(カダラウイ・クリブドン)、ツアーC(ヘリコプター島・スネークアイランド)、ツアーD(ミニロック・タピュタン)の出発港が、すべてエルニドタウン近郊のコレアンビーチまたはラスカバニャスビーチにあるからです。タウン中心からなら徒歩〜トライシクルで5〜15分。両替所もレストランもツアー会社も、ほぼ徒歩圏に集中しています。


エルニドタウン周辺(ラグーン起点・利便性高め)
初訪問の王道がここ。価格帯はゲストハウス2,000〜5,000円/中級5,000〜15,000円/高級リゾート25,000円〜と、予算に合わせて選べます。おすすめは中級クラス(1泊5,000〜15,000円)でタウンから1〜2本路地を入った宿です。
なぜ1〜2本奥かというと、ビーチフロントの宿は夜のバーの音楽がそのまま流れ込んでくるからです。私は昔、オーシャンビューに惹かれて海沿いの宿を取り、午前3時までの重低音で一睡もできなかった夜があります。翌朝のラグーンツアーが、人生で一番眠いラグーンツアーになりました。静かな奥まった宿+徒歩圏にレストラン、これがエルニドタウンの最適解です。
コルネル地区(エルニド郊外・静かめ)
エルニドタウンの南側に広がる小規模リゾート中心のエリア。タウンよりも静かで、プライベート感が高いのが魅力です。ツアー会社まではトライシクルで10〜15分。価格帯は中級10,000〜20,000円/高級20,000〜50,000円。
ただし電力インフラはタウン中心よりやや不安定で、停電リスクがあります。「静かな滞在」と引き換えに、「停電時のエアコン停止」を許容できる人向けと考えてください。2回目以降のエルニド訪問者や、カップルでのんびり過ごしたい人には刺さります。
エルニド沖プライベートアイランドリゾート(ハネムーン最上位)
エルニド沖に浮かぶ1島1リゾート型の楽園。代表格はアルマン島のニキリゾート、ミニロック島のミニロックアイランドリゾート。価格帯は1泊10万円超(オールインクルーシブが多い)で、フェリーまたはボートでエルニドから30〜60分かけて渡ります。
完全非日常という点では世界でも屈指です。ただし注意点が2つ。1つは天候悪化による孤立リスク。ボートが出せない日は帰れません。帰りのフライトに間に合わせるには、フェリー運行状況を見て早めに戻る判断が必要です。
もう1つは島内価格。敷地外に何もないため、追加の食事・お酒・アクティビティはすべて敷地内価格。事前に「何が含まれていて何が追加なのか」をよく確認してから予約してください。日本語対応スタッフがいるリゾートもあるので、記念日・ハネムーンで不安が強い人は「日本語対応可否」を予約前に直接確認しましょう。
「町中心 対 バクイト湾岸」のトレードオフ
エルニドで迷うのが、町中心と湾岸リゾートのどちらにするか。これは一長一短です。
メリット:レストラン・ツアー手配・両替所が徒歩圏、ツアー出発地まで近い、価格帯が幅広い
デメリット:夜のバー音楽が響くエリアあり、絶景は湾岸には敵わない
メリット:目の前が絶景、プライベート感、部屋からの眺めが写真映え
デメリット:食事・ツアー手配のすべてがボートと敷地内価格に縛られる、移動の自由度が低い
初訪問の利便性を優先するなら町中心、記念日・ハネムーンで絶景を最優先するなら湾岸リゾート、という切り分けが現実的です。2泊以上するなら、前半を町中心、後半を湾岸またはプライベートアイランドに移す”エリア2段構え”もおすすめですよ。



エルニドのホテル、タウン内と湾岸でかなり違うんですね。初訪問だと、どちらを選ぶのが失敗しにくいですか?



初訪問はタウン中心の中級以上を最優先してください。湾岸リゾートは絶景と引き換えに、食事・ツアー手配のすべてがボートと敷地内価格になります。2泊目以降で慣れてきたら湾岸やプライベートアイランドに移すのが理想です。最初から完全リゾートに行くと、「町を歩きたい」と感じたときに後悔します。
プエルト・プリンセサ(PPS):玄関口としての”負けにくい拠点”
プエルト・プリンセサ(以下PPS)は、パラワン島の玄関口にして、唯一グラブ(Grab)が使える街です。「エルニドに行くための通過点」として使う人が多いですが、実はPPS単体でも泊まる価値がある街で、特に北部のサンタ・ロレンザ/州立大学周辺は、パラワン全体で見ても”負けにくい拠点”として機能します。
PPS中心部(空港徒歩圏+グラブ対応)
PPSの最大の強みは、グラブが使えることと、ATMと両替所が比較的充実していることです。空港から市内中心部までは車で10〜20分。グラブアプリで呼べば料金が事前に表示されるので、トライシクルの交渉でストレスを受けることもありません。
ホテルの価格帯はゲストハウス1,000〜3,000円/中級3,000〜10,000円/高級10,000〜25,000円と、エルニドより全体的に安めです。中心部にはフィリピン最大級のスーパー「ロビンソンズ・プレイス・パラワン(Robinsons Place Palawan)」もあり、ミネラルウォーターの箱買い・日用品・SIMカードの入手も容易。「エルニドの手前で1泊して準備を整える拠点」として最適です。
PPS北部(サンタ・ロレンザ/州立大学周辺)という穴場
ここが知る人ぞ知る穴場。パラワン州立大学周辺の新興エリアで、上下水道と電気が比較的安定しています。市中心の乾季1日6時間断水と比較すると、水が流れる安心感は段違い。騒音も中心部より少なく、長期滞在・家族連れ・ノマドワーカーに刺さります。
私の知人のノマドワーカーは、PPSで1ヶ月滞在した際、最初の3日で中心部から北部に宿替えしました。理由はシンプルで、「ワイファイが切れない」「夜が静か」「水が止まらない」。パラワン旅行の仕上げで長めに滞在するなら、ここを第二の拠点にする選択肢を頭に入れておいてください。
避けるべきエリア(治安の実務的線引き)
PPSで夜間、近づかない方がいいエリアがあります。これは「危険を煽る」のではなく、「タクシー運転手が乗り入れを拒否する区画がある」という現地の実務情報です。
- リサール・アベニュー(Rizal Avenue)以南:夜間の雰囲気が豹変する区画
- マルバル通り・ブルゴス通り裏:タクシーが乗り入れ拒否する路地あり
- マルカヤ・サン・ペドロ・タガバニ地区:夜間の単独行動は避ける
- メンドーサ・パーク(Mendoza Park)周辺のバー街:「西洋人男性+若年フィリピン女性」の構図が常態化。違法ガイドや違法薬物の勧誘への注意
なぜメンドーサ・パーク周辺は避けた方がいいのか(詳細)
メンドーサ・パーク周辺はPPS中心部のバー街で、夕方以降、「西洋人男性+若年フィリピン女性」の組み合わせが集まるエリアとして知られます。違法ガイドが「安いツアー」「プライベートビーチ」などと声をかけてくることもあり、話に乗るとトラブルの入口になります。女性の一人旅はもちろん、男性の一人旅でも違法薬物や違法ガイドの勧誘に巻き込まれやすいため、夜間は宿の近くで食事を済ませるのが安全です。
地底川観光ならPPS泊が合理的
世界自然遺産のプエルト・プリンセサ地底川国立公園(サバン)が目的なら、PPS泊が合理的です。地底川は1日600人の入場割当があり、繁忙期はホテルから手配しないと枠が取れません。宿に着いたらすぐ、フロントに「明日の地底川ツアーの空きはあるか」を確認してください。
ホンダ湾のアイランドホッピングもPPS市内から30分ほど。エルニドまで行く時間がない短期旅行(3泊4日程度)なら、PPSだけで地底川+ホンダ湾+市内観光を組む旅程も十分に成立します。



PPSの中心部の1泊1,500円のゲストハウスみっけたっす! 夜はメンドーサ・パーク周辺のバーで飲んでから帰るっしょ!



…メンドーサ・パーク周辺は西洋人男性+若年フィリピン女性の構図が常態化しているエリアって聞きました。女性の私はもちろん、タケシさんも違法ガイドや違法薬物の勧誘に遭いやすいそうです。夜はホテルの近くで食事を済ませて、早めに戻るのが鉄則ですよ。
コロン:沈船ダイビングの聖地と、夜間の暗い路地の両面
コロンタウンはブスアンガ島にあり、パラワン本島とは別の島です。沈船ダイビングの聖地として世界中のダイバーが集まる一方、夜のタウン中心部は照明が少なく、女性の一人歩きは推奨されません。そしてコロン本島のほぼ全域がタグバヌア族のCADT(先住民集団所有地)——これを知らずに訪れる日本人観光客は、まだまだ多いと感じます。
コロン・ポブラシオン(町中心)
コロンタウンの中心部、通称ポブラシオン。ホテル・レストラン・ダイビングショップが集中しており、ここに泊まれば徒歩でほぼ完結します。ブスアンガ空港から車で45〜60分かかりますが、フライトに合わせて宿が送迎を手配してくれることが多いので、空港着後は迎えを待つだけで問題ありません。
価格帯はゲストハウス1,500〜4,000円/中級5,000〜15,000円。エルニドより全体的に手頃で、ダイビング料金を考えると予算配分がしやすい街です。
沈船ダイビングとカヤンガン湖
コロンが”世界のダイバーの聖地”と呼ばれる理由は、第二次大戦中に沈んだ日本軍の輸送船・駆逐艦が多数点在していることにあります。水深20〜40mに眠る船影は、初心者から上級者まで対応する幅広さ。さらにカヤンガン湖・バラクーダ湖・コンデ湖の淡水湖シュノーケリングも、ほかでは味わえない体験です。
特にカヤンガン湖。急な石段を登り、汗だくになって下った先に広がるエメラルドの湖面。朝の光が水底まで差し込む瞬間は、何度見ても言葉を失います。ただしここに行くには、次のルールを知っておく必要があります。
CADT(タグバヌア族集団所有地)のルール
コロン本島のほぼ全域は、タグバヌア族という先住民の集団所有地(CADT:Certificate of Ancestral Domain Title)です。カヤンガン湖など観光地として有名な場所は、法的にはタグバヌア族の聖地であり、族長会議の許可のもとで観光業が成り立っています。
- 許可なく私有地・聖地に立ち入らない
- 住民の撮影は事前に一声かける
- 環境税・入域料を正規ルートで支払う
- 水着のまま町中を歩かない(ラッシュガードやショートパンツを羽織る)
- ゴミは必ず持ち帰る・湖や海に物を落とさない
私が個人的に重視している宿選びのポイントは、「フロントスタッフがCADTのルールを事前に説明してくれるかどうか」です。これができる宿は、現地コミュニティと健全な関係を築いていて、トラブル対応も丁寧。逆にまったく触れない宿は、ルール違反を起こしたときの救援も期待しづらい——これは肌感覚ですが、当たっています。
夜間の治安:コロンタウンの暗い路地
コロンタウンは小さな港町で、中心部を1〜2本外れると街灯がほとんどありません。夜9時を過ぎると、路地は真っ暗です。特に一人旅の女性は、夜間の単独行動は避けてください。レストランで食事をして宿に戻る場合は、メインの通りから一歩も外れないルートを選びましょう。
ナイトライフを求める人には向きません。コロンはダイビング・シュノーケリング・湖巡りの昼の街です。夜は早めに宿に戻ってビールを飲む——これが正解です。



コロン本島のほぼ全域がタグバヌア族のCADT、って初めて知りました。普通に観光できるんですか…?



観光はできます。ただしカヤンガン湖は族長会議の許可制の聖地です。撮影・立入・服装のルールを守ることと、宿のスタッフが事前説明をしてくれるかが宿選びの一つの基準になります。ルールを守る観光客が、結果的に一番楽しめるエリアですよ。
ポートバートン・サンビセンテ:玄人限定の穴場と、開発途上のリスク
ここからは、初訪問の方には正直おすすめしないエリアの話です。ただ、「何度も来ている人」「インフラの不便さを笑える人」「情報が少ないほど燃える人」には刺さるエリアでもあります。
ポートバートン(PPSとエルニドの中間)
PPSとエルニドの中間にある小さな港町。欧米のバックパッカーがひっそり愛するエリアで、観光地化されていない素朴さが最大の魅力。ビーチに寝そべって1日何もしない、ただ海を見る——そういう時間が似合う場所です。
ただしインフラは本当に最低限です。停電・ワイファイ不安定・ATMなしが日常。PPSまたはエルニドからシャトルバンで4〜5時間かかり、道中も決して楽ではありません。価格帯はゲストハウス1,000〜3,000円と格安ですが、それは「不便さとのバーター」と考えるのが正しい理解です。初訪問の方には推奨しません。
サンビセンテ(SVI空港・開発初期)
フィリピン最長クラスの長砂浜(ロングビーチ)で注目されつつあるエリアですが、便数が少なく、インフラが未整備で、現時点では完全に”開発初期のリスクを織り込める人向け”です。
将来的には化ける可能性のあるエリアですが、今の段階で旅の主軸にするのは勇気がいります。「エルニドで1〜2泊してから、余力と好奇心がある人が足を伸ばす」くらいの位置づけが現実的です。
パラワンの治安:煽らず、軽視せず、実務的に線引きする
「パラワン 治安」で検索した方へ、一番大事なことを先にお伝えします。パラワンの観光エリア(エルニド・コロン・PPS北中部)は、命の危険を感じるような場所ではありません。普通に歩けます。普通に食事できます。普通に写真も撮れます。
ただし、「日本と同じように歩けるか」と聞かれれば、答えは「ノー」です。対策すべきリスクは命の危険ではなく、「夜間の雰囲気の豹変」「スリ・置き引き」「違法ガイド・薬物の勧誘」「ボートマンのハラスメント」——このあたり。実務的に線を引いていきましょう。
観光エリア(エルニド・コロン・PPS北中部)の治安
観光客が普通に歩く日中〜夕方は、ほぼ問題ありません。ただし置き引き・ボッタクリ・違法ガイド勧誘は日常的に存在します。対策は3つ。
- 防水ケース首掛けでビーチの置き引きを防ぐ
- 夜間は宿の近くで食事を済ませ、知らない人について行かない
- トライシクル・ボートは乗る前に料金合意+相場確認
外務省危険レベル2(パラワン州南部/バランバン以南)
外務省はパラワン州南部(おおむねバランバン以南)に危険レベル2「不要不急の渡航自粛」を発出しています。これは観光エリアであるエルニド・コロン・PPS北中部とは別の地域で、一般的な観光客の旅程にはそもそも入りません。
要点は2つ。①観光エリアへの影響は限定的、②南部への立ち入りは厳禁。この線引きを理解しておけば、「パラワン=全部危険」という誤解から抜け出せます。最新の情報は必ず出発前に外務省の海外安全ホームページで確認してください。
出典:外務省 海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/)
ジェンダー別のリスクと対策
- アイランドホッピング単独参加時のボートマンからのハラスメント事例あり。複数人参加のツアー、保険加入のある大手ツアー会社を優先
- メンドーサ・パーク周辺(PPS)の夜間単独行動は避ける
- コロンタウンの夜間の路地は、たとえ近くても歩かない
- リサール・アベニュー以南・メンドーサ・パーク周辺の声かけには応じない(違法薬物・違法ガイド勧誘)
- 「安いツアー」「プライベートビーチ案内」と話しかけてくる人物は正規ガイドではない可能性が高い
観光地ビーチの置き引きは「装備」で防ぐ
先ほどの「タオルの下の財布が消えた」話を思い出してください。ビーチに貴重品を置いて泳ぎに行くという行為は、パラワンでは「どうぞ持って行ってください」と書いた札を立てているのと同じです。
解決策は装備一択。防水ケース(海水対応、100円ショップのものではなく、ちゃんとIPX8規格以上のもの)に現金・スマホ・宿のカードキーを入れて、首から下げる。これで泳いでいる間も守れます。初めて装着した日、砂浜を走りながら海に飛び込む瞬間の解放感は、いまでも忘れられません。「あ、荷物を気にしなくていい海ってこんなに自由なんだ」と、鳥肌が立ちました。



ちょっとだけビーチで泳いでくるんで、財布とスマホこのタオルの下に隠しておけばいっしょ!



観光地ビーチは置き引きが頻発しています。数分目を離した隙に財布とスマホが消えた事例は珍しくありません。防水ケース(海水対応)に現金・スマホ・宿のカードキーを入れて首から下げるのが唯一の正解です。タオルに隠すのは、盗ってくださいと言っているのと同じですよ。
格安ゲストハウスの三点セット:なぜ中級5,000円〜を最低ラインにするのか
「フィリピンなんだから1泊2,000円のゲストハウスで余裕」——これが私の20代の思考でした。そして、その思考が生んだのが、深夜2時の地獄です。
結論から言うと、パラワンで宿を選ぶなら中級クラス(1泊5,000円〜)でセーフティボックス付きを最低ラインにしてください。エルニドなら5,000〜15,000円でも十分快適な選択肢があります。理由は「格安ゲストハウスの三点セット」と呼んでいる3つの現実です。
爆音エアコン:深夜2時のコンプレッサー
あれは深夜2時でした。壁の向こうのエアコンが、唸り始めたんです。最初は扇風機くらいの音だと思っていました。ところが、コンプレッサーが全力で動き始めると、振動が壁を伝って、ベッドの枠を震わせて、枕の中の綿にまで達します。耳栓を出しましたが、音は小さくなっても振動は消えません。振動は、耳ではなく骨で聞くんです。
1泊2,000円の代償を、夜明けまでかけて学びました。翌朝のチェックアウトで「昨夜、エアコン大丈夫でしたか?」と聞いたら、オーナーは気まずそうに笑って「古いやつでね、ごめん(old one, sorry)」と言いました。安いゲストハウスのエアコンは、基本的に「古いやつ(old one)」です。
虫:天井のヤモリと窓の隙間
同じ夜の深夜3時、天井の隅で何かが動きました。小さなヤモリです。ヤモリ自体は無害で、むしろ蚊を食べてくれる益虫だと頭では分かっています。でも、寝ようとしているのに天井で何かが動くと、脳は起き続けます。
ヤモリはまだ可愛い方で、蚊・ゴキブリ・アリの遭遇率も格安宿ほど上がります。網戸が破れている窓、ドアの下の3センチの隙間、エアコンのダクトから——虫は容赦なく入ってきます。蚊に刺されるとデング熱のリスクもあるフィリピンでは、これは単なる不快さを超えたリスクです。
ワイファイ崩壊:写真バックアップできない夜
格安ゲストハウスのワイファイは、夕方までは快適です。宿泊客が増える夜になると、途端に遅くなります。ラグーンで撮った数百枚の写真をクラウドにバックアップしようとして、夜通し回しても半分も上がらない——これが現実です。
SDカードを失くしたら、この旅のすべての写真が消えます。だから私は今、中級以上の宿を選ぶとき、予約前にメールで「ワイファイの速度は?」「停電時に使える発電機は?」「給水は安定している?」を必ず聞きます。答えが返ってくる宿が、私の最低ラインです。
中級ホテル5,000円〜を最低ラインにする理由
1泊5,000円と2,000円の差額は3,000円。5泊で15,000円です。これを「高い」と感じるか「睡眠と貴重品の保険」と感じるかで、旅の満足度は大きく変わります。
- セーフティボックス(現金・パスポート・予備カードを分散保管できる)
- エアコンの静粛性(寝られる)
- ワイファイの実用速度(写真バックアップできる)
- シャワーの湯量(1日1回はまともに洗える)
- フロントの英語対応(トラブル時に話が通じる)
エルニド・コロンは観光地価格が上乗せされる街ですが、それでも1泊5,000〜8,000円で”三点セットを回避できる中級クラス”は存在します。あとは、ここで浮かない3,000円をどこに使うか。私の提案は「ラグーンツアーのプライベートチャーター追加」または「プライベートアイランド1泊」です。睡眠に投資すると、起きている時間の満足度が2倍になります。
グラブ・トライシクル・シャトルバン:移動手段別の”ぼったくり相場”
パラワンでの移動は、乗り物ごとに性格が全然違います。どれに乗るかで、同じ距離でも3〜4倍の料金差が出ます。相場を知らないと、確実にカモにされます。
グラブ(プエルト・プリンセサのみ)
パラワンでグラブが使えるのはPPSだけです。エルニド・コロン・ポートバートンでは使えません。PPS空港から市内中心部、市内の移動は、迷わずグラブ一択。アプリで料金が事前表示されるので、交渉のストレスもなく、トライシクルより安全です。
トライシクル(エルニド・コロン・ポートバートン)
エルニド・コロン・ポートバートンの主力はトライシクル(三輪タクシー)。初乗り相場は40〜135ペソです。ところが外国人だと見るや、500〜600ペソと吹っかけてくる運転手が珍しくありません。
対策は3つ。①乗る前に相場を宿のフロントで確認、②乗る前に金額合意、③複数人なら人数割で安くなる。「ここまでいくら?(How much to ◯◯?)」と聞いて、500ペソと言われたら、スマホで相場を検索しながら「100?」と返してください。実際の落としどころは120〜150ペソ前後。笑いながら交渉するのがコツです。怒った顔で値切ると、運転手もムキになります。
シャトルバン(PPS〜エルニド)
PPSからエルニドへの陸路移動は、シャトルバンが主役です。所要時間5〜6時間、山道、車酔い注意。複数社が運行しており、前日までに予約が必要。片道600〜800ペソ前後が相場です。
酔いやすい人向けのコツは2つ。①酔い止め薬を出発30分前に服用、②前席指定(または助手席)を取る。後部座席は揺れが倍になります。そしてドタキャン対策として、複数社の予約を押さえておく(キャンセル料が低い社を選ぶ)のも有効です。私は一度、当日キャンセルされて6時間路上で待った経験があるので、二重予約の”保険”は精神衛生上も優秀です。
フェリー・RORO船(エルニド〜コロン/PPS〜コロン)
エルニドとコロン、あるいはPPSとコロンを結ぶフェリー・RORO船は、天候悪化で欠航リスクが常にあります。乾季でも突発悪天候で数日動かないこともあります。エルニド→コロンをフェリーで計画する場合は、代替としてマニラ経由の飛行機ルート(エルニドENI→マニラMNL→ブスアンガUSU)の予算を心に留めておくと、急なキャンセルでも冷静に動けます。
ベストシーズンと雨季の”保険”:旅程バッファの組み方
パラワンのベストシーズンは12月〜4月(乾季、特に前半)。海況が安定し、ラグーンツアーの催行率が最も高い時期です。5〜10月は雨季で、フェリー欠航・フライト遅延・国道冠水が日常になります。
乾季(12〜4月)が本命である理由
乾季は海が静か、空港も欠航が少なく、ラグーンツアーの催行率もほぼ100%に近いです。ただし繰り返しになりますが、乾季でも午後は突発スコールでツアーキャンセル。鉄則③(午前便指定)は乾季でも守ってください。
雨季(5〜10月)の三点保険
どうしても雨季に行く必要があるなら、以下の三点保険を必ず組んでください。
航空券はキャンセル可・変更可のプランを選ぶ。欠航時、次のフライトに無料で振り替えられる条件を事前確認してください。
旅行保険の「トリップキャンセル」「欠航補償」条項を必ず確認する。追加ホテル代・代替フライト代がカバーされる商品を選ぶ。
特にコロン・プライベートアイランド発着の日は、予備日を前後に設定する。マニラ経由の帰国便の前日には、必ずマニラに戻っておく。
マニラ乗り継ぎ3時間の中身
鉄則⑤の「最低3時間」の中身を分解しておきます。
- 着陸〜入国審査(到着ピークに当たると30〜60分)
- 荷物ピックアップ(20〜40分)
- ターミナル間シャトルバスの待ち時間+移動(20〜50分)
- 国内線ターミナルでの再チェックイン+保安検査(30〜60分)
- 搭乗カウンター締切(出発時刻の45〜60分前)
合計すると、3時間でも正直カツカツ。私は可能なら4時間以上の余裕を取るようにしています。特に雨季で国際線が遅れたら、3時間の余裕は簡単に消し飛びます。
水・食・装備:現地で”詰まないため”の実務チェックリスト
ホテル選びと同じくらい、現地で詰まないための装備準備が大切です。ここは実務的にまとめていきます。
水道水は飲用不可(歯磨きも不可)
これはフィリピン全体の常識ですが、パラワンの水道水は飲用不可です。歯磨きもミネラルウォーターで行うのが鉄則。屋台の氷も要注意で、高級レストラン以外の氷は食あたりリスクがあります。
私は必ず、空港を出たタイミングで500mlのミネラルウォーターを箱ごと(6本)まとめ買いします。PPSならスーパーで、エルニド・コロンならセブンイレブンや小さなコンビニで。ミネラルウォーターは常時2本、バッグに入れておく習慣をつけてください。
現地で買うべきもの/日本から持参すべきもの
| 日本から持参 | 現地購入可 |
| 整腸剤・下痢止め(必須) | ミネラルウォーター |
| 酔い止め薬(バン用・船用) | 日焼け止め(現地製は強め) |
| 防水ケース(IPX8規格以上) | 虫除けスプレー |
| モバイルバッテリー | SIMカード(グローブ/スマート) |
| 変換プラグ(Aタイプ・日本と同じ) | サンダル(ビーチ用) |
| 予備の現金カード・キャッシュパスポート | ドライバッグ |
装備チェックリスト
- 防水ケース(首掛け/IPX8規格以上)
- パスポートのコピー+原本の分離保管(宿のセーフティボックスに原本、コピーを常時携帯)
- 現金は複数箇所に分散(防水ケース・財布・パスポートケース・スーツケース内セーフティ)
- SIMは日本で買う海外グローバルSIM or 現地プリペイド(グローブ/スマート)
- モバイルバッテリー(10,000mAh以上推奨)
- ライトジャケット(機内用)/ラッシュガード(CADTエリアの露出対策兼用)
目的別:あなたに最適な拠点マトリクス
最後に、ここまでの情報を一枚の表にまとめます。自分の目的に合う行を見つけて、そこから予約画面に戻ってください。
| 目的 | 推奨拠点 | 推奨空港 | 推奨泊数 | 価格帯(1泊) |
| 初訪問・ラグーン絶景 | エルニドタウン周辺(中級) | ENI直行 or PPS経由 | 3〜4泊 | 5,000〜15,000円 |
| 静かに過ごしたい | コルネル地区 | ENI直行 | 3〜4泊 | 10,000〜20,000円 |
| ハネムーン・記念日 | エルニド沖プライベートアイランド | ENI直行 | 2〜3泊 | 100,000円〜 |
| 地底川・マニラ乗り継ぎ起点 | PPS中心部 or 北部 | PPS | 1〜2泊 | 3,000〜10,000円 |
| 長期滞在・ノマド | PPS北部(サンタ・ロレンザ) | PPS | 1週間〜 | 5,000〜10,000円 |
| ダイビング聖地 | コロン・ポブラシオン | USU | 3〜5泊 | 5,000〜15,000円 |
| バックパッカー上級者 | ポートバートン | PPSまたはENI+シャトル | 自己責任 | 1,000〜3,000円 |
| 開発初期の穴場 | サンビセンテ | SVI | 要リスク許容 | 3,000〜8,000円 |
迷ったら、初訪問=エルニドタウン周辺+PPS1泊という鉄板の組み合わせから始めてください。2回目以降で、コロン・プライベートアイランド・PPS北部に手を伸ばしていく。この順番が、失敗しにくい”上達の階段”です。
パラワンのホテル選びでよくある質問
- パラワンは何泊が目安ですか?
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エルニドのみなら3〜4泊+PPS1泊の計4〜5泊、エルニド+コロンなら5〜7泊、プライベートアイランドを加えるなら7〜8泊が目安です。マニラ滞在を足すなら、さらに1〜2日余裕を取ってください。
- 日本からパラワンへの最短ルートは?
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成田・羽田・関空→マニラ→PPS または ENI(エルニド・リオ空港直行)。ENI直行はエアスイフト1社独占で、マニラ乗り継ぎとパッケージで予約するのが一般的です。
- クレジットカードはどこで使えますか?
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PPSの中〜高級ホテル・スーパー・一部大手レストランでは使えます。エルニド・コロンは観光客向けレストランの一部でのみ。ツアー代・トライシクル代・屋台はすべて現金です。
- 英語が話せなくても大丈夫ですか?
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中級以上のホテル・ツアー会社のスタッフは英語対応可能です。片言でも伝わります。日本語対応は一部のプライベートアイランドリゾートのみなので、英語が不安な方は事前に確認してください。
- 家族連れでもエルニドは大丈夫ですか?
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はい、家族連れでも十分に楽しめます。中級以上のホテル(プール付き推奨)を選び、ツアーは半日コースから始めるのがおすすめ。食事はホテルのレストラン中心にすれば食あたりリスクも抑えられます。小さなお子さま連れはエルニドタウン中心の中級リゾートが最もバランスが良いです。
- 女性の一人旅は可能ですか?
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可能です。ただし以下を守ってください。①中級以上のホテルに泊まる、②夜間の単独行動(特にコロンタウンの路地、PPSのメンドーサ・パーク周辺)を避ける、③アイランドホッピングは複数人参加の大手ツアーを選ぶ、④防水ケース首掛けを徹底する。これだけで安全度は大きく変わります。
- 雨季でも楽しめるエリアはありますか?
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雨季(5〜10月)でもPPSは比較的動けますが、離島リゾートは孤立リスクがあるため推奨しません。どうしても雨季に行くなら、フライト変更可能チケット+フェリー欠航補償保険+旅程3日バッファの三点保険を必ず組んでください。ベストは12〜4月の乾季です。
- プライベートアイランドは日本語対応していますか?
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一部のリゾートで日本語対応スタッフがいます。ただし常駐しているとは限らないため、予約前にリゾートに直接メールで「滞在中、日本語を話せるスタッフはいますか?(Japanese-speaking staff available during my stay?)」と確認するのが確実です。
- マニラで1泊する場合、おすすめのエリアはありますか?
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マカティまたはパサイが無難です。特に空港近くのパサイは、早朝便・深夜着に対応しやすく、タクシーのぼったくりリスクも相対的に低め。マカティは治安・食事・ショッピングの総合バランスが良好です。
- 外務省の危険情報はどう確認すればいいですか?
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外務省の海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/)でフィリピン・パラワン州の情報を確認してください。出発1週間前と出発前日の2回チェックするのがおすすめです。たびレジ登録も忘れずに。
まとめ:パラワン拠点選びの5鉄則、もう一度
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。最後に、この記事全体の骨格である5鉄則をもう一度だけ、心に刻んでおいてください。
- 鉄則① エリアは「空港と目的」で逆算確定する(エルニド/PPS/コロン/プライベートアイランド/ポートバートン)
- 鉄則② マニラで3〜4万円分のペソを両替してから現地入りする
- 鉄則③ ツアーは必ず午前便(9時前発)を指定する
- 鉄則④ ビーチでは防水ケースに貴重品を入れて首から下げる
- 鉄則⑤ マニラ乗り継ぎは最低3時間、理想は4時間
パラワンは、知らずに行けば”空港ミスマッチで丸一日が移動で消える島”になります。けれど、この5鉄則を知っているあなたは、もう「エルニドに泊まりたいのにPPSに着いて絶望する人」ではありません。空港から逆算して宿を選び、マニラでペソを握りしめ、午前便でラグーンに滑り込み、防水ケースを首に下げて泳ぐ——それだけで、世界屈指のエメラルドグリーンを、安全に、快適に、そして思い出深く楽しめます。
「パラワンは遠くて難しい」と感じていた最初の自分に戻れるなら、私は「大丈夫、5つだけ覚えればいい」と耳元で言ってあげたい。900泊以上してハズレを引きまくってきた私でも、今はほぼ外しません。私の失敗を踏み台にして、あなたは最短でパラワンを楽しんでください。



パラワンのホテル選びで一番痛いのは、絶景や安さで拠点を決めて、空港から6時間の移動に丸一日を奪われることです。空港→拠点→宿の順で逆算し、5鉄則を身につけてから予約ボタンを押してください。”知っていれば避けられる落とし穴”を、知らずに踏む必要はありません。さあ、次の予約画面を開き直しましょう。
それでは、良いパラワン旅を。ラグーンで会いましょう。





